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ダス・フェアローレネ・パラディースⅡ -オルガチェイン 7 -

7

「小休止を挟んでから、続けるぞ」
ジェイがパメラに声を掛ける。
「チェイン繋ぎは、やっぱり三日間がリミットかい?」
「ああ」
ジェイはぐったりとする番いのディアブロスに目を向けながら、そう答えた。

三日間がタイムリミットというのは、飛竜を「躾」る者達にとっては共通の認識である。詳しい理由は不明だが、飛竜達に対する性的調教は三日以内に完遂させないと失敗するケースがほとんどである。
「やっぱり三日以内か。ただ躾るだけならともかく、こりゃ難儀だわ」
パメラが苦笑する。

一頭目の飛竜の絶頂をきっかけとして、それを目の当たりにした二頭目の飛竜が、物理的且つ性的な刺激を与えずとも連鎖的に絶頂を迎えるように仕込む――それがオルガ・チェインである。
これを仕込むには、卓越した「躾」技術と結構な根気、それから運が必要となる。二頭を三日以内で「躾」るというだけでもかなり難度が高いが、一頭目の絶頂を受けて二頭目が絶頂を迎えるという連鎖を織り込むのが「オルガ・チェイン」を施す際に一番の難所となる。

一頭だけ「躾」に成功しても意味はなく、二頭の「躾」に成功してもチェインが繋がらなくてはやはり失敗となってしまう。
また「躾」やすい個体と貞操観念の強い――もっとも飛竜に貞操観念があるかは定かではないが――「躾」難い個体という別け隔てがあるのも「オルガ・チェイン」の難易度を上げる要因になっているが、そこはもう運の領域である。

かなりの労力を使うが、オルガ・チェインを仕込んだ飛竜は希少価値が高いため、財力のある変態達の間で、信じられないような高値で取引が成される。
噂によると、五匹の飛竜をオルガ・チェインで繋いだ性具があるらしいが、その価格は、レアメタルが今後百年は採掘出来るであろう、とのお墨付きが与えられた鉱山と同等だという。


二人はしばらくすると「躾」を再開した。

ジェイがディアブロ妻を絶頂へ導き、パメラが追うようにしてディアブロ夫に射精をさせる――この作業を幾度となく繰り返してゆく。但し、パメラが与える刺激は徐々に弱くしてゆき、最終的には触れることさえしないようにする。妻が絶頂を迎えるのを見るだけで、夫が射精するように仕込まなくてはならないのだ。

「躾」を始めてから三日目が過ぎようとしていた。
ディアブロ妻が、アクメを得始める――もう幾度目なのか定かではない。
それを目にし、勃起したディアブロ夫のペニスが更に膨張する。パメラは少し離れた所で胡座をかいて座っている。すでに夫のペニスには指一本触れていない。
「ジェイ。旦那がイキそうだよ」
青筋を浮かべながらいきり立つ夫のペニスを見ながら、パメラはニヤリと笑った。

『クウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥーー!』
――ああああああああああああーー!
ディアブロ妻が盛大に達する。
『ウオオオオオオオーン!』
一瞬の間を置き、ディアブロ夫も達する。鈴口から、あたかも噴水のように精子が射出された。

「しかし、底なしだねぇ」
都合何度目になるのか見当もつかない射精を目の当たりにし、やや呆れ気味でパメラが言う。
「人間の男なら出し過ぎで、とっくに逝っちゃてるだろうね。さすがは飛竜」

「きっちりとチェインが繋がったようだな」
ジェイがそう言いながら、ディアブロ妻の秘所からD・V・Pを引き抜くと、アーオ、と妻が喉の奥で喘ぐ。そして、すぐさま臀部をもぞもぞとさせる。
『キュウ……キュウウン……クウウン』
――欲しい……来て……もっと頂戴……。
艶っぽい、媚びるかのような声をディアブロ妻が漏らす。明らかに欲情していた。

「奥方の方も堕ちたな」
ジェイはそう言って、すでに中天を通り過ぎた太陽を眩しげに見上げながら、額の汗を拭った。
「オルガ・チェイン、成功かい?」
「ああ」
パメラの問いにジェイが頷く。ほぼ丸三日間、時間的に四日目に入るか入らないかの所で「躾」が終わった。
「パメラ、狼煙を上げてくれ」
「あいよ」
パメラは立ち上がって火を起こし、ポーチから紫がかった玉を取り出してくべる。程なくして煙が出始め、空に向かって昇ってゆく。しばらくすれば運び屋達が「商品」を引き取りにくるだろう。
「後は受け渡しだけだな」
大きく息をついて、ジェイは手近な岩に腰を下ろした。

「この番い、一体どういう風に使われるのかね……」
パメラが、相変わらず尻を振り続けるディアブロ妻を見遣りながら言う。

これから目の前にいるディアブロス夫婦は「性具」として富裕な変態のもとへ納品される。

妻の絶頂が、夫の絶頂へと繋がる絶頂連鎖――オルガ・チェイン。
不可視の鎖で繋がれた番いは、変態購入者のタガの外れた性欲をどのように満たすのか――。

「少し……この番いが羨ましかったりするかな」
不意にパメラが口を開く。
「……どういう意味だ?」
「うーん。何て言うのかな……歪ではあるけど、これって「絆」じゃん? 打算とか利害とか抜きに、このディアブロス達は繋がってる」
「……精神的なものとは言い難い。それに、俺達が「商品」としての価値付けをするために無理矢理繋いだものだぞ?」
「分かってる。それは分かってるよ。でもさ、そもそも絆って、当事者達が作ろうと思って作れるものじゃないだろ? 形はどうあれ、こいつらには絆がある。そこが羨ましかったりするのさ。あたしには――」
そこまで言うと、バツが悪そうにパメラは言葉を切った。
「何でもない。まったく、あたしも何を言ってるんだか」
苦笑いをしつつ番いを見つめるパメラの視線は、少しだけ優しげだった。


「終わったね」
「そうだな……」
アプトノスが引く荷車が、ジェイとパメラを残して去ってゆく。
荷車は二台で、夫婦別々に乗せられている。

自分達の行く末が分かっているのか、二頭ともポロポロと涙をこぼしている。涙はすぐさま結晶化し、荷台に落ちた。それを、運び屋達が喜色満面で懐に仕舞い込む。売り払って、一杯引っかけるための資金にでもするつもりなのだろう。

ディアブロ夫婦を乗せた荷車が段々と小さくなって行き、やがて見えなくなった。



「さて、ジェイ。仕事も済んだことだし」

パメラがジェイの方に向き直る。そして、さらっと、実にさらっと言った。

「あたしと、やんない?」




「……何をだ?」
ジェイは何を言われたのか、真剣に分からなかった。
「この朴念仁。あたしらも繋がろうって言ってるのさ」
パメラがジェイに近寄る。
「雌ディアブロスをガンランスで突き上げるあんたを見て、ずっと身体の奥がうずいてた。いや、最初に握手をした時からかな。すごい力で握り返されて……実はあの時、少しアソコが湿っちまったんだよ」
まくし立てるように言いながら更に近付いてくるパメラに対し、ジェイは思わず半歩程退いていた。

「……他所を当たれ」
「いいや。あたしは」
パメラはジェイの両肩に手を置いた。
「あんたと、したい」
「お前は……糜爛亭に出入りしてる人間だろう?」
バズの店に絡む者は、モンスターで己の性欲を満たす変態ばかりで、基本的にノーマルな性癖の人間はいない。
「……あたしは、強い雄で濡れる。強ければ、鳥竜でも魚竜でも飛竜でも構わない……勿論、人間の雄でも。「博愛主義」なのさ、あたしは」

――少々変わり者だがな。
ジェイはバズの言葉を思い出した。変わり者とは「糜爛亭」における変わり者――すなわち、人間の雄も欲情の対象に含まれる、という意味だったのだ。

「俺はしたくない。お前では立たん」
一般社会の中で女に言ったら、それこそ鬼畜呼ばわりされそうな台詞だが、パメラは蛙の面に水、といった表情で、
「そんなことは、言われ慣れてる」
と言い放つ。
「とにかく、俺はしたくない」
ジェイは、肩に置かれたパメラの手を振り払う。邪険極まりない動作だった。

「どうしてもかい?」
「くどい。寄るな――俺はもう帰る」
そう言い捨てると、ジェイはパメラに背を向けた。そしてネコタクを呼ぶために、狼煙を上げる準備をする。
「あたしとは、どうしても駄目かい?」
ジェイの背中にパメラが言う。
沈んだような声音だった。
だが、ジェイは何も答えない。

パメラが軽く息をつく。
「……そうか。やっぱり、今回もあたしが跨る羽目になるのか」
意味不明の台詞が気になり、ジェイは振り返った。

パメラがフルフルホルンの唄口を咥えている――次の瞬間、吐き気を催すような音がフルフルホルンから発せられ、ジェイの耳をいたぶって気を失わせた。
意識が遠のく瞬間にジェイの目に映ったのは、少しだけ寂しそうに笑うパメラの顔だった。

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