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ダス・フェアローレネ・パラディースⅡ -オルガチェイン 4 -

-4-

ディアブロスが身をよじりながら砂の中に体をねじ込み、あっという間に地上から姿を消す。
「パメラ!」
「分かってる!」
ジェイの声に応じて、パメラがフルフルホルンの柄に取り付けられた唄口を咥える。そして間を置かず、手の平で柄に空けられた音孔を半分だけ塞ぎつつ、鋭く息を吹き込んだ。次の瞬間、周辺の空気が少しだけぶれて、キンッという、金属で金属を弾いたような音が響く。

音が響いた直後、二人の十歩ほど先の砂が盛り上がり、ディアブロスの上半身が躍り出る。
高周波――狩猟笛特有の機能で、音爆弾と同様の効果がある。人の耳には何も影響を及ぼさないが、砂の中にいるディアブロスには効果覿面である。強烈に聴覚を蹂躙されたディアブロスは、下半身を砂に埋没させつつ苦鳴を上げて上半身を左右に振り回す。

自由を奪われてもがくディアブロスに、ジェイはD・V・Pの切っ先を叩き込む。切っ先が顔面に当たると同時に、グリップを捻って砲撃を喰らわせる。
1発、2発、3発、4発、5発――弾倉が空になるまで砲撃を撃ち込むと、アオーン、とディアブロスが高く鳴いてぐったりとくずおれた。

「終わったー」
パメラが気の抜けたような声を出す。すでに雌のディアブロスは昏倒させ、強力な麻痺剤を連続投与して自由を奪い続けてある。今倒し終えたのは、番いの雄の方だった。

「まだ、これからだぞ」
ジェイはそう言いながら、ポーチから飛竜用の注射器を取り出した。中には特性の麻痺剤が入れられている。ディアブロスの足の付け根辺りにナイフを入れて、太い血管を露にし、手早く麻痺剤の投与を行う。投与後、さほど待たずに雄ディアブロスの身体が、ビクビクと波打ち始めた。

ジェイはその様子を見遣ると、パメラに向かって、
「狼煙を上げてくれ」
と言った。
「あいよ」
パメラが火を起して、赤みを帯びた玉をくべる。程なくして赤色の煙が空へと昇ってゆく。
しばらくすると、砂煙を上げながら猛スピードでジェイ達の方へ向かってくる何かが見える――3匹のアイルーが引く荷車であった。
アイルー達は、ジェイ達の前で荷車を横滑りさせて停止させた。荷台にはジェイとパメラの「躾」用の道具が満載されている。

「毎度ニャ!」
3匹のアイルーが声を揃えて言い、ぺこりとお辞儀をする。
「すぐに降ろしてくれ」
そうジェイが告げると、3匹はすぐに作業に入る。人間など及びも付かない素早さと、外見からは想像出来ない腕っぷしの強さで瞬く間に全ての道具が降ろされた。そして謝礼を受け取ると、来た時よりも速い速度で帰ってゆく。

「せわしないねぇ」
パメラが苦笑する。
「やつらは忙しいんだ――俺達ものんびりしてる時間はないぞ。早いところ「躾」を始めよう」
オニロク――対飛竜用緊縛荒縄――を取り出しながら言うジェイの口元には、サディズム漂う笑みが浮かんでいた。それにつられて、パメラも嗜虐性を感じさせる笑みを浮かべるのだった。

                                                        -続く-

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