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オトモカリン制作記 其の壱

皆様は、

「ルイズコピペ」

なるものをご存知でしょうか。○ちゃんねるなどに時折貼られる非常にこゆ~いコピペです。

ライトノベル「ゼロの使い魔」の登場人物「ルイズ」への想いを過激に表現した(実の所私自身は
ゼロの使い魔を読んだことはありませんw)コピペで、

『ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ(ry 』

という、かなりぶっ飛んだ出だしで始まります。
余談ではありますが「ルイズ」の部分を任意の言葉に差し替えてこの「ルイズコピペ」を生成してくれる
「クンカクンカジェネレーター」なるものも存在しますw

今回から掲載する「オトモカリン制作記」は、この「ルイズコピペ」に触発されて書いた作品です。(どういう
触発のされ方だw)前回の「バサルモスが見てる」と同じく一人称で書かれた軽いタッチの作品です。
よろしければご笑納下さい。

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オトモカリン製作記 其の弐


とある大きな都市に『オッタマケーキから撃龍槍まで』――要するに幅広く商品を扱ってますよというアピールなのだが――を謳い文句にしている商会がある。

屋号をカメリア商会という。

僕は、カメリア商会内にある「ツバキ工房」という部署に従業員兼ハンターとして、つい先日放り込まれた。ツバキ工房は独自に商品を企画開発する部署で、モンスターの素材を使って新しい製品を作ることがコンセプトになっている。
従業員は責任者兼凄腕ハンターのツバキさん、試作品作りの職人のゲンさん、そして従業員兼優良ハンターのカリンさんと、新人従業員兼十把一絡げハンターの僕ことポプランの四人である。

ちなみに、従業員がハンターを兼ねていることからも察しがつくと思うが、試作に必要なモンスターの素材は全部自分達で調達することになっている。ギルドやハンター達から買い付けると高くつくので、少しでも経費を節減するために僕らがギルドの仕事を請け負う。こうすれば、報酬は手に入るし素材は手に入るしで一石二鳥だからだ。

さて、今日は新しい試作品の素材調達のためにフルフルを狩りに来たのだが――僕は散々な目に合うことになった。

「てぇ~い!」
声が間延びしているせいか、いまいち迫力に欠ける掛け声と共に、カリンさんが「近衛隊機械鎚【撃鉄】」を大きく振りかぶって勢いよくフルフルの頭に叩き込む。

ギョエエエエエエーーー!!

耳を塞ぎたくなるようなフルフルの苦鳴が周囲に響き渡る――フルちゃんの頭って男の人のオチ○チ○云々言っていたカリンさんの言葉を思い出し、僕は自分の股間を引っ叩かれたような剣呑極まりないシンパシーを覚え、思わず少しだけ前かがみになってしまった。
そんな様子が腰が引けてるように映ったのだろう。背後から、
「臆したかエロポップ!」
とツバキさんの叱咤が飛んで来た。

「誤解ですってば!」
僕はそう言うと、フルフルの左後方から斬りかかる。得物は片手剣のゴールドイクリプス。炎を嫌うフルフルには有効な武器である。ちなみに防具はコンガXの一式をつけている。

ゴールドイクリプスがフルフルの足を捕らえる度、刃から炎が噴出して真珠色の皮膚を焼く。その攻撃を受けたフルフルが軽くよたついた。それを見た僕は勢いづいて、
「オラオラオラオラ~!」
と叫びながら、ゴールドイクリプスをやたらめったらと振り回す。

だが、これが良くなかった。

調子こいて斬りまくるのに夢中になり、
「ポプランくーん、フルちゃんほえるよー」
というカリンさんの声が聞こえなかったのだ。

ホアアアアアアアアアアアアッッッーーーー!!

フルフルのバインドボイスが周辺の空気を震撼させ、僕の耳をなぶった。剣を振るう手が止まり、巨大な手に掴まれたかのごとく体が微動だにしなくなる。一方のカリンさんは高級耳栓のスキルがつく装備なので平然としているし、ツバキさんはバインドボイスの効果が及ぶ範囲の外へすでに逃げている。もろに喰らったお間抜けは僕一人だった。
意識ははっきりとしているのに、ショックで全身の筋肉が硬直して動かなくなる状態に陥りながら、僕はヤバいよヤバいよーと胸中で呟く。

だが次の瞬間、臀部に強烈な痛みが生じて、
「ッアアアーーーー!」
と僕は叫んでしまう。それと同時に硬直が解けた。何事かと振り向くと、クイックシャフトのバレルをこちらへ向けたツバキさんが見えた。どうやら硬直を解くため故意に僕の尻へ弾を撃ち込んだらしい。

『もっと欲しいか?』

そう言わんばかりの嗜虐的な笑みをツバキさんが浮かべている。このヒトってばサドだ絶対にサドだ――僕はそう胸中で叫ぶ。更に尻へ弾丸を撃ち込まれてはかなわないので、慌てて引きつった笑みを浮かべつつ、
「ぐ、ぐっじょぶです、ツバキさん!」
と言って親指を立てて、体が動くことを殊更にアピールしてみせた。その仕草を見たツバキさんが舌打ちしたように見えたのだが、それは見間違いだと僕は自分に言い聞かせる。

そうこうしている内にも咆哮を終えたフルフルが体を回転させ、尻尾による引っ叩き攻撃に出た。
「そんな短い尻尾の攻撃なんぞ当たらん!」
僕は右側より迫り来るフルフルの尻尾を華麗に回転回避しようとした。だが体を傾けた瞬間、不幸なことに、先ほど弾丸を受けた尻がキュンと痛んで動きが止まってしまう。
「はぶっ!」
無防備な脇腹へ尻尾の一撃を受け、ゴロゴロと実に無様に転がってしまう。更に僕に取って不幸だったのは、転がった先がカリンさんの攻撃範囲内であることと、すでに彼女がハンマーの振り上げモーションに入っていたことであろう。

「え? ちょっ!?」
顔を上げた僕の目に映ったのは、風切り音をさせながら迫ってくる近衛隊機械鎚の打撃面であった。
「ポプランくん、ごめ~ん!」
カリンさんの声が耳に届く。
「ハンマーは急にとまれないんだよ~」

次の刹那、僕は体が折れ曲がる程の衝撃を腹部に受け、
「ぴぃたごぉらぁぁ!」
と言葉にならない悲鳴を上げた。同時に両足が地面から離れて体が宙に舞う。放物線を描きながら空中遊泳した僕は、ツバキさんのすぐ脇の地面に仰向けで落ちた。

「ぐうっっ!」
気が遠くなるような痛みが全身を駆け巡る。手足を動かそうとするものの、他人の体であるかの如くまったく動かない。

「やれやれ、だな」
大の字になったままの僕を見下ろしながら、ツバキさんがため息をついた。そしておもむろにクイックシャフトの銃口をこちらへ向ける。
――ああ僕、役立たずだから折檻されちゃうのかな。でもこんな至近距離で撃たれたら、防具つけてるとは言っても大変なことになるんじゃないのかな。最悪死んじゃったりするんじゃ――自分へ向けられる銃口を目にしながらそんなことを考え、
「ご、ごめんなさい。撃たないで……すぐに戦線復帰しますから……」
と、落下した痛みも相まって、思わず半泣きで哀願してしまう。

「その心意気やよし」
僕の言葉にツバキさんはニヤリとする。だがその直後、真顔になって、
「だが断る」
と突っぱねると引き金を絞った。

「わああああーーー!」
パンッという乾いた音がすると同時に腹部へ衝撃を感じ、僕は絶叫する――撃った! この人撃った!
「騒ぐな。男の子だろ? まあ、それだけ絶叫する元気があるなら心配はいらないな」
「ひどい……ひどいですよツバキさん……末代まで祟ってやるぅ」
「……回復弾を使ったのだが?」
「へ?」
ツバキさんの言葉に僕は呆けたような返事をした。撃たれた辺りをまさぐってみるが、血も出ていなければ痛みもない。それどころか、弾が当たった箇所を中心にじんわりと温かいものが広がっている。

「足りなければもっと撃ち込んで―ー」
「いえ大丈夫です! どう見ても体力全快です! 本当にありがとうございました!」
撃ちたくて仕方がないという表情のツバキさんに対して、僕は必死に言い募る。なぜ回復薬でなくて回復弾なのかを五分針程問い詰めたかったが、そんなことをすると何かよくないことが起きそうなので言うのは止めておいた。

「そうか。それは残……いや、良かった」
そう言いながら、ツバキさんは弾丸を火炎弾に切り替える。
「尻尾、ハンマー振り上げ、といい感じにコンボが入ったからな。無理は良くない。とりあえず休んでいたまえ」
言い終えると再びポーチから煙草を取り出し、火を着けて実に美味そうに一服する。そして、咥え煙草のままフルフルの方へと近付いていった。

僕はよろよろと立ち上がり歩き出した。ツバキさん達が戦っているところから距離を取り、膝を抱えて座った。それから、せめて二人の勇姿を見守ろうとポーチから双眼鏡を取り出して覗いた。

カリンさんのおっぱいが見えた。

――おっぱいが三回上下している。ということはだ、あれはハンマーの定番攻撃、
通称「縦振りセット」を行っている最中だな。容易に推測できるね。
おっと、お次はおっぱいが回転してる。これは誰がみても、回転攻撃――。

と、ここまで来て、僕はハッとする。
「おっぱいしか見てないじゃん」
流石に情けなくなり、慌てて双眼鏡の倍率を下げる。見える範囲が広くなり、ツバキさんとフルフルが対峙している姿が目に映った。
ツバキさんは相変わらず咥え煙草のままだった。ろくに狙いも定めずにトリガーを引いているが、弾は全てフルフルの頭部に命中していた。それだけでも十分に驚きだが、リロードの仕方を見て更に僕は度肝を抜かれた。

火炎弾を撃ち尽くすのと同時にツバキさんは回転回避を行う。そして、その回転回避を行ってる最中に薬莢の排出と弾丸の再装填をするという離れ技をやってのけている。ナルガX装備のスキルで回避距離が伸びているとは言え、おいそれと出来る芸当ではない。

ツバキさんはフルフルを中心に、円を描くようにして発砲と回避を繰り返す。フルフルはなす術もなく、一方的にクイックシャフトから撃ち出される火炎弾に弄られ、あまつさえ合間合間にカリンさんのハンマーも入れられる。時折、発電攻撃やブレスを放つが、二人の前ではすべてが空回りだった。

程なく、抵抗空しくフルフルは倒れた。僕、いらない子なんじゃないかな――そんなことを考えつつ双眼鏡をしまい、二人のもとへと向かった。

「お疲れさまです!」
と、二人の傍へ着いた僕が言うと、
「うむ」
とツバキさんは頷き、ポーチから煙草を取り出して火をつけた。

「ポプランくん、おつかれ~」
額に汗を光らせながら、カリンさんが近づいてくる――ひとつも働いてないし、おっぱいばっかり見てましたサーセン、などと僕は胸中で呟きつつ、
「お疲れです!」
と、さも自分もちゃんと働いたかのような顔で返しておいた。

「ごめんね。吹っ飛ばしちゃって」
申し訳なさそうにカリンさんが言うが、僕は「イエイエ。ダイジョブナノデスヨ-」と抑揚のまったくない声で返事をしながら、首を横に振った。ハンマーが当たった場所が洒落にならないくらい痛むが、そこはガマンの子である。

「さて二人とも」
一服を終えたツバキさんが言った。
「剥ぎ取るぞ。今回必要なのは皮だけだ。全部剥ぎ取ってくれ」
「でも、それは規約違反では?」
僕はそうツバキさんに訊ねた。狩ったモンスターから剥ぎ取ってもよい素材の分量に関しては、ギルドの規定があるのでそれを無視してはならないのだ。例えば、皮なら全体の何割程度、二つある臓器なら一つだけ等々――何十条にも渡る実に細かい取り決めがなされているのである。

「心配無用。他の部位には一切手をつけない条件で話を通してある」
「へえ。そんな条件通るんですか。知らなかった」
「普通はまず通らない。だが、そこはまあ、色々とツテがあってね」
そう言ってツバキさんは薄く笑った。整った顔立ちでそんな笑い方をされると、薄ら寒いものを感じてしまう。どんなツテなのか個人的に大いに興味をそそられるところではあるが、聞くと何かよくないことが起きそうなので止めておいた。
「では諸君」
ツバキさんが、腰に下げていた剥ぎ取り用のナイフを手にする。
「奮って剥ぎ取ろう」
その言葉を合図に、僕らは剥ぎ取りにかかった。

― 続く ―

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オトモカリン制作記 其の参


「やっぱりフルちゃんの頭って、男の人のオチ○チ○そっくりだよー」
再びカリンさんが直截的この上もない台詞をのたまいながら、フルフルの首にナイフを入れる。そういうことを言いながらナイフを入れるのは、男への精神的暴力に等しいので是が非でも止めて欲しい――思わず自分のナニにナイフを差し込まれる様を妄想して、前屈みになってしまう。

そんな様子が、腰が引けてるように映ったのだろう。
「臆したかポプラン」
そうツバキさんが言う。またこのパターンかと僕は少々うんざりしながら、
「誤解ですってば。カリンさんが妙なことを言うから、痛い妄想に襲われただけです」
と答えた。

「ふふ。君のはこんなに大きくあるまい? なのに、自分のモノを重ね合わせるのはいかがなものかな」
「どういう言われようですか。そうやってお笑いになりますけどね、僕のだってそう捨てたモノじゃ……ってそうじゃなくて、第一こんなにナニが大きかったら防具はおろかインナーも着られないじゃないですか。いやその前に日常生活が送れないですよ」
「君は実にバカだな」
バカって言ったね、お袋にも言われたことないのに――そう言ってやりたかったが、ツバキさんの心底呆れたような顔に僕は大いに傷ついてしまい何も言えなかった。粗○ン呼ばわりされた挙句、バカ呼ばわりのお土産までつけられて、これで傷つかない男などいない。

「あは。上手にムケました~」
そんな傷心の僕を尻目に、カリンさんがフルフルの皮を手にしながら実に聞き捨てならん台詞を口にする。どうせ僕のは少し、ほんの少しだけだが被ってますよ――まあ逐一反応してしまう僕も僕だとは思うのだが、場所が場所だけについ過敏になってしまう。
「ふむ。見事にムケたな」
「えへへ。あたし、こう見えてもムクのはうまいんですよー」

女二人が、人の気も知らんとデリカシーを欠く台詞を連呼する。
「ムケるムケるって、氷樹リンゴじゃあるまいし」
ついつい険のある口調になってしまう。
「何おこってるのー?」
カリンさんがキョトンとした顔で僕を見る。
「難しい年頃なのだろう」
フルフルの首にナイフを入れながら、ツバキさんはそう言った。

「わあー、ツバキさんすごいー」
カリンさんがツバキさんの手つきを見て驚きの声を上げる。確かに彼女のナイフ捌きは凄く、みるみる内にフルフルの首の皮が剥ぎ取られていく。仕損じというものが一切なく、数分針もしない内にフルフルの首はズルムケ……いや、すべて剥ぎ取られた。

皮を剥ぎ取られたフルフルは哀れを誘うのと同時に、完ムケでいいなあという下品な羨望をも誘ったりする。
「君もボケーとしていないでやりたまえ」
ケルビのなめした皮でナイフを拭きながらツバキさんが言う。僕は慌てて剥ぎ取り用ナイフを手にし、フルフルの背中へ刃を入れた。慎重の上に慎重を重ねて皮を剥ぎ取りにかかる。そして僕は見事フルフルの皮の剥ぎ取りに――失敗した。
「……じょうずにムケなかったね。でも気にしなくていいと思うよ」
「ほっといて下さい……」
慰めを装ったカリンさんの追い討ちに、僕はうな垂れるしかなかった。




「いつつつっっ……」
湯につかりながら、痛む箇所を擦る。腹部には巨大な青あざができている。このあざが、カリンさんのハンマー「近衛隊機械鎚」の拵えたものであることは言うまでもない。

現在僕がいるのは、カメリア商会の建物内にある風呂場だ。従業員への福利厚生の一環として用意されたもので、いつでも利用が可能というかなり太っ腹な設備である。
広々とした浴室の床は全て木張りで、「アントニオヒノキ」という香木が使われている。湯が張ってある浴槽にも同じ木が使われており、かぐわしいアントニオの香りが湯煙とともに立ち上って浴室に満ちている。天井からは雷光虫を入れたケージがいくつもぶら下がっており、浴室の中をあえかに照らし出していた。

今は時間帯が深夜のせいか、僕の他には誰もいない――というかツバキ工房の面子意外の人間は、皆とっくに帰宅していた。
フルフル狩りが終わって三人でカメリア商会に戻ってきた頃には、夜もだいぶ更けていた。戻るとツバキさんは僕に、
「疲れと汚れを落としてきたまえ」
と、風呂を勧めた。サディスティックな表情で弾を撃ったりしていたツバキさんではあるが、優しい一面もあるらしい。

「上がるか……」
体も十分に温まったので湯船から出ようと立ち上がった。すると、出し抜けに浴室の戸が開いた。
「な……」
開いた戸の方へ目を向けて、僕は唖然とした。全裸のカリンさんが立っていたからである。思わず僕は再び湯の中に体を沈めてしまう。

「ポプランくん、湯かげんどうおー?」
屈託のない口調でそう言いながら、カリンさんが入ってくる。手にタオルを持っているが、それで体を隠すこともしない。大きいくせに少しも垂れていない形の良い乳房が、派手に揺れながら近付いてくるのを目の当たりにして、僕は思わず唾を飲み込んだ。

「ん? 顔がずいぶんあかいよー? お湯、熱いのかな?」
「いや、丁度いいです……ってそれより僕、男なんですけど?」
そう言って僕は一応、紳士ぶって少しだけ顔を反らした。
「ん? 知ってるよ?」
「恥ずかしくないんですか?」
「ぜんぜん。なにが恥ずかしいの?」
こともなげにそう言うと、カリンさんは浴槽の脇に置いてあった桶で湯をすくって体へとかける。瑞々しい肌が湯をはじくさまを、チラチラと僕は盗み見た。

「今日はホントにごめんねー。ハンマー当てちゃって」
カリンさんは風呂に備え付けてあった抗菌石をタオルに包み、全身を丹念に洗い始める。
「痛かったでしょう?」
タオルが、豊かな乳房を押し上げ、引き締まった腰周りを撫で、むっちりとした太腿に伸びる――そんな様を目にしているうちに、僕のムスコが湯の中で勢いよく立ち上がった。勢いが良すぎて、反り返ったムスコの頭が腹のあざをピタンッと叩き、僕は思わず、
「いつつつ……」
と声を漏らしてしまう――親に手をあげるとは、とんだ愚息である。

「痛む? だいじょうぶ?」
カリンさんが浴槽の縁に両手をついて、身を乗り出すようにして僕の顔を覗き込んでくる。僕は、すぐ目の前にあるカリンさんのおっぱいの迫力に圧倒され、
「大丈夫だったんですけど大丈夫じゃなくなって……痛みも少しは引いてたんですが、また痛くなりました」
と訳の分からない返答をしてしまう。

「ポプランくんの言ってること、よくわかんないよ?」
困惑した顔をしながらカリンさんは言うと、桶で湯をすくって体へかけた。そして、体を流し終えると浴槽の中へ入って縁に腰をかける。
「それから、そんなていねいな言葉使いしなくていいよー。名前も呼び捨てでいいよ。いっしょに狩りをしたら、もう仲間でしょ?」
「それはそうですけど……」
僕がそう言うと、カリンさんの表情が少し淋しげに曇った。

まずい。他所行きの言葉使いがまずかったか――僕は頭の中でそう呟いて、あわてて軌道修正することにした。
「ほら、アレだよ……シャイってやつ? 僕、案外人見知りするんだ」
「そうは見えないけどなー」
カリンさんの表情が明るくなったので、とりあえず僕はほっとした。

「そういえば、カリンさ……カリンは何でカメリア商会に入ったの?」
ふと思いついて、僕は訊いてみた。
「以前はとある猟団にはいってたんだけどね~」
少しだけカリンは苦笑いをした。
「あたし不器用だから、仲間を必ずハンマーで飛ばしちゃうんだよね。注意してるつもりなんだけど、絶対に飛ばしちゃう。なぜか離れて戦ってるガンナーの人まで飛ばしちゃうんだよね」
「それは――」
ヒドイ、と僕は喉まで出かかった言葉を飲み込む。

「そんなんだから、誰に声をかけても一緒に狩りにいってもらえなくなっちゃって……」
「……」
「そんな時に、たまたま知り合ったツバキさんが、カメリア商会に入らないかって誘ってくれたんだー。あ、そういえばツバキさんだけは吹っ飛ばしたことないな~」
そう言ってカリンはえへへと笑った。だが、すぐにその笑顔は引っ込み、今度は真剣な、そしてどこかすがるような表情で僕の顔を見つめてくる。

「ねえ。ポプランくん。もしもあたしが仕事抜きで狩りへ行こう、って言ったら、一緒に来てくれる?」
カリンの表情と口調はどちらも切実であった。おそらく、誰に声をかけても尽く断られてきたのだろう。僕の答えを待つカリンの体は、怖がるかのように小さく震えていた。
彼女のハンマーを腹に喰らった時の痛みは、リオレイアのサマーソルト直撃に勝るとも劣らない程のもので、正直なところ二度と味わいたくないと僕は思う。しかし、今の彼女を見ていると、とてもじゃないが断ることなど出来なかった。

「うん。いいよ」
僕はそう言って頷いた。下心がなかったと言い切る自信は、まったくもってないのではあるが。
「ほんと!?」
カリンの顔が、ぱっと明るくなる。
「でも、今日の狩り見てても分かると思うけど、僕はかなり役に立たないよ? 装備G級、腕前下位。それでもいいの?」
妄想力と勃○力には自信ありだけどね――とこれは心の中に留めておく。

「役に立たないなんて、そんなことないよー。ありがとう。うれしーよ。あ、そう言えばポプランくん」
「何?」
「あたしのおっぱいさわりたい、って言ってたよね?」
さらっとカリンは言うが、言われた僕はポカンとしてしまう。

「え?」
言ったような言わないような――いや、触りたそうな顔はしただろうけど言葉にはしてない……はず。
「いいよ、さわっても」
カリンが軽く体を反らし、胸を突き出してくる――これって、一緒に狩りに行くって言ったお礼とかなのかな……それとも手付け金みたいなもの?
「えっと、その……マジ?」
「うん。マジだよ。はい、どうぞー」

実に屈託のない笑顔をするカリンを見て、僕は心の中で打ち上げタル爆弾を十個連続で打ち上げてお祝いをした。だが、最後の一発を打ち上げ終えると同時に、はたと我に返る――これ僕の妄想じゃないよね? 狩りの腕に覚えはまったくないが、瞬時に妄想の世界に入り込むことと勃○力に関してはG級の自信がある。

とりあえず僕は現実かどうかを確認するため、眼前に鎮座ましますカリンの乳房へ右手を伸ばす。まず手始めに人差し指でちょん、と突付いて見る。
「ふふ。くすぐったいよー」
そう言ってカリンが身をよじる。当然、その身のよじりに呼応して、巨乳にも程がある両乳が揺れる。

この感触。この迫力。この揺れ加減。紛うことなき現実だ。妄想なんてそんなチャチなもんじゃ決してない――僕は心の中で力説し、いよいよ揉むことにする。本格的に揉むことにする。胸の高鳴りはすでに頂点にあり、股間の高まりの方はすでに言わずもがなである。
もう我慢出来ないし、その必要も、そのつもりもなかった。カリンのアレを揉み倒すため、音爆弾で水中から引きずり出されるガノトトスのような勢いで、僕は立ち上がった。

だが、その途端。

ふっ、と意識が遠くなる。浴槽の縁に腰掛けるカリンに一歩踏み出したところで、僕は体がよろめくのを感じた。
「ポプランくん!?」
自分の名前を呼ぶカリンの声を聞きながら、僕は意識を失って湯の中へ倒れ込む――ひどい湯疲れに体力を根こそぎ奪われていたのだった。

せめて、ひと揉みだけでもしたかった……。

― 続く―

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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

オトモカリン制作記 其の四

目が覚めるとソファの上だった。ツバキ工房の詰所にあるソファで、レウスのなめし皮を張った逸品である。
僕は身を起して自分の体を見た。すでに全裸ではなく、誰が着せてくれたのかは分からないが、自前のミナガルベストのインナーを身に着けていた。
「気がついたかね」
「よかった。心配したんだよ~」
テーブルを挟んで向かいのソファにツバキさんとカリンがいた。すぐ脇の壁にかけてある雷光虫入りケージの灯りが、二人の姿をほんのりと照らし出している。

ツバキさんは黒い長袖シャツに黒ズボンという全身黒ずくめだった。一方のカリンはと言うと、上半身はワイルドアイルーのインナーを身につけているのだが、下半身には何もつけていないという変な格好だった。いや、そんなことよりも更に変だったのは――。
「何してるの……カリン?」
僕の声は若干硬かったと思う。
カリンはソファに逆さまに座って――説明が難しいのだが、本来ソファのお尻を置くところに頭と肩が来て、背もたれの部分に背中と腰をもたれさせるという珍妙な格好で、いわゆる世間一般で言うところの「マン○リ返し」状態になっている。

「型をとっているのだよ」
ツバキさんが煙草に火を着ける。何を言ってるのか分からなかった。そんな僕の頭の中を察してだろう、ツバキさんが引き続いて説明をする。

「今、カリンの膣に特殊な素材で出来た液体を流し込んでいる。人の体温くらいの温度に触れると固まる性質を持つ変わってはいるが都合のいい、いや大変便利な液体だ。これを使ってカリンの膣内の型を頂戴している最中なのだよ」
ああ、なるほど。その液体がこぼれないようにするためにそんな姿勢を取っているのか――いや、そうではなくて。妙なところで納得しかけて、僕は軽く頭をふってそれを打ち消す。問題なのは何のためにそんなことをしているのか、ということだ。

「機会があったら、性具を作ってみろと上から言われている。そこでまず手始めに、男性ハンターのための携帯用自慰支援性具を作ろうと思うのだ」
「……携帯用自慰支援性具?」
「そう。女の膣を模した自慰用の道具だ」
僕はカリンの股間へ視線を送った。薄い桃色をした粘液状の物が秘所を覆っている。中だけではなく淫核や外側の襞の形までも型取りをしているようだった。

「つまり……その道具を作るための型を、カリンから取っていると?」
「そうだ。私も可愛い部下にこんなことをさせるのは心苦しいのだが、これも商会からの命令だ。カリンも従業員として商会の発展のため、快く応じてくれた次第だ」
とツバキさんは言うが、薄く笑っているように見えるのは僕の気のせいか。

「ツバキさ~ん、まだですか~?」
体をもぞもぞと動かしながら、眉根を寄せてカリンが言う。それにしても凄い体勢だ。折りたたまれた両足が、ゆるゆると閉じたり開いたりされている様が、滑稽でありつつも妙なエロティシズムを醸して僕の股間を刺激してくる。
「すまんなカリン。もう少しだけ我慢してくれ」
「はい~。がんばります……」
苦しげながらも殊勝な返事をカリンはする。

ツバキさんは更に続けた。
「どこまで話したかな……ああ、そうだ。これは男性ハンター限定なのだが、ひとつ面白い現象があってな。狩りに出る直前、特にベースキャンプでペニスが勃起して止まない殿方のハンターが結構いるそうだ……覚えがあるかね?」
「はあ、まあ。そう言えば」

僕は記憶を手繰る。結構、そういったことは多かったように思う。ガウシカ狩りやファンゴ狩りではそういったことはなかったが、レウスやティガなどの強烈な暴威でハンターを圧倒してくる飛竜を相手にする時などは、
『怖いのに……でも、勃っちゃう……くやしい……! バッキバキ』
みたいな状態になってしまい、往生したことが何度かある。

「狩りに赴くハンターには常に死の危険がつきまとう。男性は自分の生命が脅かされる事態になると、本能的に子孫を残そうと――つまり勃起することがあるらしい。まあ、これは知り合いの竜人族の医師から聞いた受け売りなのだが」
なるほど、と僕は心の中で頷いた。ガウシカ狩りでは生命の危機に直面するケースはほとんどない。だが、相手がレウスやティガなどの時は、いつ何時命を持っていかれてもおかしくはない。本能がそれを感じ、僕のマンドラゴラを立たせていたという訳なのか。

「そんな時、殿方のハンターは自分で精を放ってから狩りに出ることがあると聞いたのだが?」
紫煙をくゆらせながら、ツバキさんはまるで尋問するかの如く、実に答えにくいプライバシーな部分へ切り込んでくる。
「まあ……そういう時もありますね。そのままだとアーマーが着られないとか切実な問題があるんで、お鎮まりいただく訳なんです。それとこれは余談ですが、出すと思わぬオマケがついてくるんですよ」
「ほう。そのオマケとは?」
「女性には分からないと思いますが、男には頭の中に賢者が降りてくる時間というのがあるんですよ。その時間というのは――」
「射精後かね?」
ツバキさんが目を細める。

「私は女だから実感や体感としては分からないが、知ってはいるよ。男という生き物は、ついさっきまで情熱的に囁き、熱狂的に求めていたというのに、出し終わると別人のように冷めてしまう。酷い時にはそそくさと背を向けたりもする」
……過去にそういう扱いを受けた経験でもあるのだろうか。珍しく恨みがましいような口調のツバキさんだった。
「すみません……男を代表して心から謝罪します」
別に僕個人が責められた訳ではないが、何だか謝ってしまった。

「君に謝ってもらっても仕方がない。まあいい。なるほど、賢者が降りてくる時間か。言い得て妙だな」
「……それで、出した後は信じられないくらい頭の中が澄み渡って、冷静になれるんです。まあ、これがオマケってやつですね。冷静になるということは狩りにとってはいいことです。ただ、代償として若干のスタミナが賢者に持ってはいかれますが」
「ふふ……何にしてもヌく時が往々にしてあるということだ。つまり、そういう殿方ハンターの心に少しでも潤いを届ける為に、自慰用の性具を作ろうという寸法なのだよ」
ツバキさんは愉快そうにそう言って、煙草をふかす。

男性ハンター用自慰支援性具――果たしてどれだけ需要があり、本当に心へ潤いを与えられるのかは定かではないが、試みとしては面白いと思う。右手は自慰における最高の伴侶ではあるが、時には右手以外の愛人が欲しくなってしまうのが男の性であったりする。
「ツバキさ~ん。そ、そろそろ苦しいです~」
流石にカリンが音を上げ始めた。

「ああ、すまん」
ツバキさんは、カリンの股間を覆っている粘液状のものへ指を這わせる。続いて人差し指の爪で軽く二、三度弾いた。かちかち、という音にツバキさんは軽く頷いた。
「もういいだろう」

その言葉を聞いて、カリンが体の向きを入れ替え――つまりマン○リ返し状態を解除する。
「ふ~。きゅうくつだった~」
カリンはそう言うと、脚を思い切り広げてソファに座りなおした。ちなみに僕はその真正面にいる。無防備にも程があるカリンの股座へ視線を送りながらも、恥ずかしくはないのかしら、と僕は心の中で呟いた。

普段の言動や風呂場での振舞い、加えてマン○リ状態をさほど抵抗感なく受け入れている風な様子を鑑みるに、カリンという人は羞恥という概念が希薄なのかも知れない。おっぱい触っていいよと言ったのも、ひょっとしたら握手程度の感覚だったのだろうか。そう考えると、一人胸の中で打ち上げタル爆弾をあげて「ヒャッハー」と大はしゃぎしてた自分が何だかとってもおバカに思える。

「さて、その型を渡してもらおうか」
悪党のような台詞をツバキさんがのたまう。そして、うらやまけしからんことに、カリンの下腹部へと手を伸ばす。固まった型取り剤の端を掴んで引き抜こうとしたが――どっこい、カリンのソコがそれを許さない。
「……あれれ?」
カリンが目を丸くする。
「力を抜きたまえカリン」
その言葉に応じてカリンが体の力を抜くが、型は抜けなかった。左右へ動かしてみたり、上下に揺らしてみたりと、ツバキさんが色々とやってみる。

「あ、あ……あんっ」
そうこうしている内に、カリンが妙な声を上げ始める。頬にほんのりと朱が差して、目が潤んでくる。
「ツバキさん……きもちいーですよぉ……」
珍しく、ツバキさんがため息をついた。
「……多分、カリンのはオクトパス・トラップなのだろう」
「オクトパス・トラップ?」
思わず僕は聞いてしまう。

「骨タコを取る時に漁師が使う道具で、平たく言えばツボのようなものだ。入口が狭く、奥が広い」
「ああ、なるほど」
ツバキさんの説明で合点がいった。それでは抜けないのも無理はない。
「無理に抜くと壊れてしまう」
それは型が? それともカリンが? どっちだろうと僕は思ったが、聞くと良くないことが起きそうなので黙っておいた。

「仕方がない。ポプラン、カリンの隣にきたまえ」
「はあ」
良く分からなかったが、ツバキさんに言われるがまま向かいのソファに移動して、カリンの隣に腰掛けた。それとほぼ同時に、ツバキさんがカリンのインナーの胴衣を掴んでずり上げた。
「きゃん」
カリンが変な声を出した。一方の僕は、ぶるん、とか音の出そうな勢いでこぼれ出たおっぱいに目が釘付けになった。

「カリンの胸を攻めるのは久しぶりだな」
そう言うと、ツバキさんはカリンの左乳房へ手を伸ばして優しく揉みしだき始めた。
……今、絶対に聞き流してはいけない言葉を聞いた気がするんだが。「カリンの胸」を「責める」のが「久しぶり」ってどういうこと? ユリなの? エスなの? レズなの? 

「ポプラン。クックがライトボウガン食らったような顔をしてないで、君も参加したまえ」
「はいっ!?」
余りにも突飛な展開に、僕は裏返った声が出てしまう。
「カリンの体を性的に責め、存分に濡らすのだ」
「な、何故?」
「決まっているだろう。愛液で滑りを良くして型を抜いて回収する」
「あ、そうか……い、いや。しかしですね」
何故だか腰が引けてしまう――急速にエロスな事態へとこの場が飲み込まれてゆく様に、僕の頭がついていかないのだ。第一、複数で組んずほぐれずなんて、そんな究極にエロイことしたことないし。

「つべこべ言わないでやりたまえ。上司命令だ」
嬉しいような恥ずかしいようなカリンに申し訳ないような、でもやっぱり嬉しい上司命令をツバキさんがしてくる。
「……ポプランくん、おねがい。このまま抜けなかったら、ちょっと困るし……」
カリンまでがそんなことを言って、潤んだ瞳を僕に向けてくる。
「ポプランくんなら、いいよ……ううん。ポプランくんに、してほしいな」
僕の耳元へ口を寄せ、熱い吐息交じりでカリンが言う。悩ましげな彼女の言葉に、僕の躊躇という名の壁は、シェンガオレンに踏んづけられた民家のごとくあっさりと崩壊した。


「こ、これは、仕事なんだからねっ」
デレデレしないよう自分を戒める意味でそんなことを言い募りながら、僕は体をカリンに密着させて右手を乳房の麓に添える。そして、左手でカリンの肩から二の腕辺りを優しく撫でる。
「あっ……ぞくぞく……するぅ……」
カリンの肌が粟立ってくるのが良く分かった。僕は左手はそのままに右手も動かし始める。乳房の周囲を指の腹でゆっくりと撫で回す。円を描くように指を動かし、徐々にその円を狭めて頂きの乳首へと近付けてゆく。乳輪に指が差し掛かると、カリンの鴇色の乳首が僕の指をせがむかのように尖ってくる。

「ひゃうっ……!」
突然カリンが小さい悲鳴を上げた。僕の指はまだ乳首に触れていない――ツバキさんが左の乳首を摘みあげたのだ。
「しこっているな、カリン」
目を細めながらツバキさんは言うと、摘んだ乳首を軽くひねった。その所業にカリンは体をびくん、と震わせて応じる。

僕は指を止め、口をカリンの右乳房へ近付けた。舌を乳輪に当て、そこから蝸牛にも「劣るとも勝らない」ほどのじれったさで舐め上げる。舌先が頂きに達する頃には、カリンの乳首はかちかちになっていた。ちらり、とツバキさんを見ると、薄く笑みを浮かべながら摘んだ乳首を弄んでいる――やはりこの人はサドっ気があるようだ。
「あ、ああ……きもち……いいれすぅ……」
ツバキさんからはハードに、僕からはソフトにという属性が異なる攻めに、頬は紅潮して目がとろんとなった状態でカリンが喘いだ。

「あっ……!」
今度はカリンの口から小さく鋭い声が漏れ出る。ツバキさんが乳首に歯を立てたのだ。張り合う訳ではないのだが、僕も軽く遠慮がちではあるが、歯を立ててみた。
「あああああ……」
身も世もない声がカリンの唇を割って出てくる。僕はそっと肉付きのいい内腿へ手を伸ばす。すでに型と肌の隙間から溢れ出た愛液で内腿一面はぐっしょり濡れていた。

「!!!!!!!」
突然、カリンが声にならない叫びを上げ、僕にしがみついてきた。ツバキさんが型の端を掴んで引き抜きにかかったのだ。
「だめだめだめぇ……」
カリンがふるふると首を振った。
「うそ……あ、らめぇ……ねえ、ポプラン……きゅん」
きゅん? 一瞬、カリンが僕にときめいてしまったのか、などと馬鹿なことを考えてみたりしたが、
「ね……ポプランくん……」
と言われて、ああ『きゅん』は『くん』だったのか、とやっとのことで気が付いた。自分の察しの悪さに情けなくなる。

「なんだい?」
僕はうわずる声で言って、カリンの耳たぶを甘噛みする。
「イっちゃい……そなの……ねえ、イっても……いいかな……?」
カリンの頬には朱が差し、目は泣きじゃくった後みたいに潤んでいる。ぽってりとした唇は呆けたように半開きになり、はあはあと熱い息が漏れている。淫蕩、と言っては言い過ぎかもしれないが、とにかくエッチな表情に僕の脳髄が刺激されまくる。

「あ、ああああ……も、だめ……イっちゃう……!」
「締め上げるな……と言っても無理か。よし……もう少し……抜けた」
じゅぽんっ、という派手な水音がし、ツバキさんの手によってカリンから型が引き抜かれる。それとほぼ同時に、
「ふわあああああああああああんっ!」
と、カリンが盛大に喘いで派手に達した。ぶるぶると体を震わせ、目を閉じながらカリンは肩で息をする。

「イったのか」
カリンの呼吸が少し落ち着いたところで、ツバキさんが訊ねる。
「イっちゃいました……えへへ」
カリンが涙目になりながら、はにかんだように応じる。
「イ、イっちゃったんだ……・」
多分、僕の口調は変質者染みていただろうと思う。カリンのすごいイキっぷりを目の当たりにして、今まで生きてきた中でも最上クラスの興奮を感じてしまっていたのだ。インナーの中で、僕の男性自身が危険なくらいに脈打ち、痛いくらいに猛って自分のモノではないと感じてしまうほどに硬くなっていた――今ならコイツで、ランポスをも殴り倒せそうだ。

「ちょっと……はずかしい……かな」
カリンが照れくさそうに言う。大事なトコロがくぱぁとなって、いやらしいにも程がある液体が、ちょっと信じられないほど溢れでてくる。こんなものを目の前で見せ付けられて襲わないオスなど存在しない。いや、むしろ存在してはならない――そう思った瞬間、怒り状態のドドブランゴ並みの速さで肉体が動いていた。

「カリン! ああカリン!」
ツバキさんが脇にいるのも構わず、僕は劣情の塊になってカリンに迫っていた。
「待てっ」
鋭い声でツバキさんがそう言いながら素早く立ち上がり、僕達の間に割って入る。
「待たない待てない待ちたくない!」
僕は思わず立ち上がり、自分でも惚れ惚れするような滑舌の良さで異を唱えた。

「もはやガマンが有頂天に達しています!」
股間のジェネシスはすでに限界突破した硬度を誇っていた――今ならイヤンクックをも殴り倒せそうなナニを、僕はインナーの上からしつこいくらい指差しながら、
「こいつを見てください! どう思います!?」
とアホのように言い募った。
「すごく……オッキです」
カリンがすかさず合いの手を入れてくれる――嬉しいこと言ってくれるじゃない?

「私が……してあげるよ」
突然、ツバキさんの口から耳を疑うような言葉が出て、僕の獣性が少しだけ収まりを見せた。
「え? ツバキさん……?」
「部下の色々なケアも上司の仕事だからな。私では駄目かな?」
少しだけ伏目がちのツバキさんに、僕は背筋がぞくぞくするのを感じた。普段サドっぽいツバキさんが少しだけしおらしくしている様子に、限界を超えた限界までナニが硬くなる――僕のナニはどこまで昇る? このままだといずれウカムをも殴り倒してしまいそうだ。

「駄目だなんて……夢みたいっす……」
ついさっきまでカリンに襲いかかろうとしていたクセに、あっさりとそんなことを僕は言う。我ながら最低の極みだとは分かっているのだが、どうにも自分の「棒力」に抗えないでいた。
「そうか。ならば少しだけ待ってくれ」
「うう、しかしですね……」
本当にもう危険水域を通り越している。

「準備をさせて欲しい。分かるだろう? 待ってくれ。ほんの少しだけだから」
優しくツバキさんが言う。
「……分かりました。待ちます」
「ん。いい子だ」
そう言うとツバキさんは僕の頭を軽く撫で、カリンから取った型を手にして隣の部屋へ足早に消えていった。

「ポプランくんって、結構シリガルだとおもう」
ツバキさんがいなくなると、カリンが至極ごもっともなことを言った。
「うう……」
ぐうの音も出ないぜ……。
「まあ、ツバキさんみたいに素敵な人にああ言われたら、仕方ないかー」
カリンはテーブルの上に備え付けてある薄葉紙でぐっしょりしてしまったオニャノコを拭くと、ソファの肘掛にひっかけてあったインナーのパンツを手早く穿いた。

「その、なんて言うか……ごめん」
「べつにいいよ? ツバキさんの後でエッチしても」
「マ、マジ……?」
思わず聞き返してしまう。だがカリンは、
「う・そ。えへへ」
と悪戯っぽく笑った。

― 続く ―

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オトモカリン制作記 其の伍


「待たせた」
そう言いながら、ツバキさんが詰所に入ってきた。まるで恥らう少女のように、両腕を後ろ手にして顔を少し俯けている。普段のサドっぽいツバキさんとのギャップが堪らない――もう、オシッコ的なものが漏れそうにござる……。
「あたし、帰りますね~」
カリンが気を利かせて立ち上がる。だがなんとツバキさんは、
「カリンにもいて欲しい」
などと言ったのだ。

「え? でも~」
「頼む」
「はあ。わかりました~」
戸惑い気味の顔でカリンはそう言うと、再びソファに腰掛けた。
……まさかツバキさんは、人に見られながらじゃないと性的興奮を得られない特殊嗜好の持ち主だったりするのか。だがオーケー、心配は要りませんよツバキさん。このポプランどこまでも突いて――いや付いていきますからね。

「ポプラン。すこしの間、目を閉じていて欲しい」
「分かりました……」
僕は言われた通り、立ったまま目を閉じる。目を閉じると、イケナイ妄想しか頭に浮かんでこない。例えば、ソファの背もたれへツバキさんの両手をつかせて、その長くて綺麗な黒髪を引っ張りながら後背位で攻めるとか、「後生だからそれだけは堪忍して欲しい」とか何とか言うツバキさんの「眼鏡」に無理矢理射精するとか――とにかくロクでもないことしか頭に浮かんでこない。

「カリン。ポプランのインナーを脱がせてくれ」
「はい」
カリンが僕のインナーのパンツ部分に手をかけるのが分かる。程なくして愚息がインナーから顔を出すのを感じた。
「わあ……すごいですね、ツバキさん。ちょっと怖いかも~」
「確かに改めて見ると凄いな」
女性二人の、僕のマンドラゴラ賞賛が耳に心地よい。だが、ツバキさんの言葉に少し引っかかりを覚える。カリンが言うのならば分かる。風呂場ですでに僕マン――僕のマンドラゴラの略――を目撃済みだからだ。しかし、ツバキさんと僕マンは初対面のはず――などと目を閉じたまま考えている内に、僕マンがひんやりとした感触に包まれるのを感じた。ツバキさんの手、えらく冷たいなあと思ったのも束の間、結構強く締め上げられて「オウフ……」とか変な声が出てしまう。

「ポプラン。もういいぞ」
その声に応じて僕は目を開けた。ツバキさんとカリンがソファに腰掛けているのが見える。
あれ? と僕は思った。何だこの違和感は。相変わらず男根を締め上げる感覚はあるのに、ツバキさんはソファで腕を組んでいる。カリンの両手も膝の上だ。じゃあ一体誰が僕のを締め上げている? いや、一体何が僕のを締め上げている? 僕は恐る恐る自分の下半身に目をやった。そして――。
「……なんじゃこりゃあああああああ!?」
腰の脇辺りで両の拳を握りしめながら、僕は思わず絶叫していた。

股間から小さいゲリョスの頭が生えていた。実に精巧かつ本物に似せて作られている。ちゃんと頭部のトサカまで再現されている辺りが何だかとってもイラっとする――そんなふざけた代物が、セガレの根元までを覆い尽くしているのだ。

「ツバキ工房試作品第伍号、男性用貞操帯・毒怪鳥式」
ツバキさんがそう言って薄く笑う。先刻の恥らう少女の如く、両腕を後ろ手にして顔を少し俯けていた姿は何処へやら、実にドSな笑みだった――ああそうか。あの時手を後へ回してたのはこいつを隠していたからなのか。恥じらいでも何でもなかった訳だ。

「内部に抜歯したフルフルベビィの口腔が仕込んであるので、どんな大きさの殿方にでもフィットする仕組みになっている。今、君のは猛りに猛っているが、それが収まっても自動的に締め付けがきつくなって外れることはない。ちなみに専用の鍵を使わないで外そうとすると、内部に仕込んだ火薬が炸裂して取り返しのつかないことになるので気をつけたまえ」
「うわ危なっ……って、そうでなくて!! 誰が商品の説明をしてくれと言いましたか!? どうしてこんなモノをつけるんです!?」

「今出してもらっては困るのだよ。何しろ今度作る試作品の試験をしてもらわないといけないからな」
「試作品って……さっき言ってた携帯用自慰支援性具ですか?」
「その通りだ。試験時に枯れるまで射精してくれたまえ」
そう言ってツバキさんは煙草に火をつけた。
「ん……存外似合っているよ。惚れてしまうかも知れない」
「うん。よく見るとかわいい~。あたしも好きになっちゃうかも」
二人してあからさまな嘘を言う。
「ふざぎんなぁぁぁぁぁぁ!!11」
僕は思わず地団駄を踏んだ。するとちびゲリョスが揺れて、頭のトサカがカチカチと鳴った。

「わあ、すご~い。本物みたい~」
「そうだろう? 実はトサカの部分が一番苦労したのだよ」
「無駄に凝るなぁぁぁー!」
僕は更に地団駄を踏み続けた。それに合わせてカチカチカチカチカチカチ、と忙しなくトサカが鳴る。
「このままいくと、光ったりもするんですか~?」
「はは。流石にそこまではないな。だがいい案かも知れないな。光蟲でも仕込むか」
「ちっくしょおおおおおおおおおーーーー!」

カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ。

詰所内に僕の叫びとちびゲリョスのトサカ音がこだまするのであった……。



ちびゲリョスが生えてから三日後の夜。僕はツバキ工房の詰所にいた。件の性具の試作品が完成したのだ。今夜はツバキさんとカリン、そしてゲンさんもいた。ゲンさんは壮年の黄昏時くらいの年齢で、苦みばしったいい男だ。ツバキさんと同じように黒いシャツに黒いズボンと全身黒尽くめである。

ちなみに、僕はすでにインナーのパンツを脱いで、下半身はちびゲリョス一丁になっている。

「さて、大変長らくお待たせしたなポプラン」
ツバキさんが小さな鍵を弄びながら薄く笑う。
「ちびゲリョスを外して欲しいか? 私の靴先に口付けをして請うたら外してやらんことも――」
「そういうプレイは他所でお願いします」
ツバキさんの言葉を遮り、僕は邪険に応じた。

「ポプランくん、ご機嫌ななめ?」
カリンが小首を傾げる。
「ななめどころか、垂直若しくはオーバーハングだっつーの」
不機嫌極まりない口調で僕は言う。ご機嫌ななめなのは当たり前だ。僕はこんな仕打ちを受けてご機嫌になるような性倒錯者ではない。それどころか――妄想内では地上に存在するありとあらゆるプレイスタイルを実行したが――現実には正常位と後背位しかしたことがないほど性的には慎ましいのだ。性行為界のアプトノスと呼んでくれても構わない。

まったく、この三日間がどれだけ地獄だったか。排泄はちびゲリョスの口から出来るので問題はなかったが、毎日朝立ちする度にセガレに走る激痛だけは勘弁して欲しかった。時間が経つと締め付けが勝手に調整されるので、セガレが壊死するという悲しい結末を迎えることは免れたのだが。

「悪かったと思っている」
ひとつもそんなことを思っていない風な顔をしながら言い、ツバキさんがちびゲリョスの根元辺りにある鍵穴へ鍵を差し込んだ。軽く捻るとカチリと小さな音がして、ゲリョスがぽとりと床に落ちた。
「おおお……」
三日振りに再会したセガレに、僕は思わず感涙にむせびそうになった――ちょっと酸っぱい香りがするけど。

「ゲンさん、アレを」
「はい」
ツバキさんの言葉に応じて、ゲンさんが布のかかった物をテーブルの上に静かに乗せた。そして布の両端を摘み、ゆっくりと取った。
「こ、これは……」
僕はそれを見てほんの刹那、言葉を失った。そこには女性の下腹部があった。猟奇的な表現が許されるのならば、女性の臍下辺りから太腿の付け根辺りまでを切り取ったような状態のものがそこにあった。まあ実際の下腹部よりもかなり小さいし、色も薄桃色をしているので、すぐに作り物だと分かるのではあるが。

「ツバキ工房試作品第玖号、男性用携帯自慰支援性具・花梨式」
何故だか実に得意気にそう告げて、ツバキさんがニヤリとする。
「さあポプラン、存分に撃つがいい」
「撃つがいいって言われても……。いくらなんでも、これ相手じゃあ勃ちま――」
矢庭にツバキさんが花梨式を掴んで、その秘部を僕の目の前に突き出す。そこには、どう見ても数日前に見たカリンのアソコがあった。

ぺちん。そんな音がする――亀頭が腹筋をノックしたのだ。僕は愕然とする。『道具相手なのに……くやしいっ……でも、勃っちゃう……! バッキバキ』状態に陥った僕に対し、
「さあポプラン、早く入れてみてくれ」
などとツバキさんが急かす。
「ええと、ここで……?」
僕のそんな問いに、ツバキさん、カリン、ゲンさんが揃って頷く――どいつもこいつも、何だか目が輝いていやがるのは一体全体どういう了見だ?

「無論。上司命令だ」
「ポプランくん、ガンバ」
「男には理不尽だと思っていても、やらねばならぬ時があるんだよ」
三者三様の身勝手な言葉を聞いて、僕の中で何かがプツンと音を立てて切れた。そんなに僕の自慰を鑑賞したいですかそうですか。散々お預けを食らい、その上に理不尽な貞操帯装着。半ば怒り、半ばヤケになってしまい、もう何が何だか分からなくなってきた。
「分かりました……」
いいでしょう。見せてあげますよ。あなた達が引いてしまうくらいに壮絶な一人上手を。

「思いっきしスケベエになるぜ、今夜は!」
高らかにそう宣言し、僕はツバキさんの手から花梨式を奪うと、両手で掴んでセガレに振り下ろした。グチュという音と共に、僕は陰茎が包み込まれるのを感じた。装着完了。それじゃあ……。

僕の喘ぎ(ウタ)を聞きやがれっっっっーーーー!!!!

「カリン! カリン! カリン! カリンぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!! カリンカリンカリンぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ! クンカクンカ! スーハースーハー! スーハースーハー! いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ! カリンたんのライトブラウンの髪をクンカクンカしたいお! クンカクンカ! あぁあ!!
間違えた! モフモフしたいお! モフモフ! モフモフ! 髪髪モフモフ! カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
自慰支援性具のカリンたんかわいいよぅ!! あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!! ふぁぁあああんんっ!!
自慰支援性具の試作品が完成して良かったねカリンたん! あぁあああああ! かわいい! カリンたん! かわいい!あっああぁああ! いやぁああああああ!!! にゃああああああああん!! ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!! 自慰支援性具なんて現実じゃない!!!! あ……カ リ ンは 現実 じ ゃ な い? にゃあああああああああああああん!! うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!! いやぁぁぁあああああああああ!! はぁああああああん!! カメリア商会ぁああああ!! この! ちきしょー! やめてやる! ハンターなんかやめて…え!? 見…てる? 自慰支援性具のカリンが僕を見てる? カリンが僕を見てるぞ! 自慰支援性具のカリンが僕に話しかけてるぞ!!! よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ! いやっほぉおおおおおおお!!! 僕にはカリンがいる!! やったよツバキさん!! ひとりでできるもん!!! あ、自慰支援性具のカリンちゃあああああああああああん!! いやぁあああああああああああああああ!!!! あっあんああっああんあゲン様ぁあ!! ううっうぅうう!! 僕の想いよカリンへ届け!! ツバキ工房のカリンへ届け!」

変質者的な僕の叫びが、夜のカメリア商会に響き渡るのだった。


僕はソファに横たわっていた。もう動けなかった――ちなみにしっかりとインナーのパンツは穿いているので安心してくれていい。
「使い心地はどうだったかね」
「フウー」
「改善した方がいい所などは、どうかね?」
「ニャグー」
ツバキさんが何だか色々と訊いてくるが、体力とスタミナが底をついた今の僕に会話を要求するのは無駄である。
「仕方がない。これを飲みたまえ」
僕はツバキさんから差し出された小瓶を手に取り、中に入っていた液体を飲み干した。
これは……! この味は……いにしえの秘薬の味……!
瞬時にして僕の体は回復した。いやあ、つくづくヤバイ薬だよなあ、いにしえの秘薬って。

「会話が出来なくなるまではりきってどうする」
流石に、少しだけツバキさんは呆れていた。
「ポプランという男は戯れの出来ない男ですので……」
「戯れの塊のような男が良く言う。で、どうだったのかね?」
「え? ああ、もう凄いです。カノジョは」
僕はテーブルの上に寝かされた花梨式に目をやった。何やら色んな液体塗れになっているのが、哀れを誘う。
「中の具合が最高でした」

「内側には、先日君達が狩ってきたフルフルの皮が使われているんだよ」
ゲンさんが僕に言う。
「で、型はカリンの、ですよね?」
「それなんだが……」
何だか申し訳なさそうにゲンさんが頬を掻く。
「入り口――淫核とか陰唇の部分はカリンちゃんのを使ったんだが……諸般の事情があって、内側は俺のを使ったんだ」
「はい……? 仰ってることの意味が分かりませんが? 俺のって何ですか?」

「いやあ、俺の尻穴で採った型だよ」
実に爽やかな口調でゲンさんがとんでもないことをのたまう。それはそれは晴れた日の森丘から望む、限りなく青い空のような爽やかさで。
「そ……」
反面、僕の心の中はと言えば――雨の沼地のような有様だった。じゃあなんですか……僕はあんな恥ずかしい絶叫をしながら、男の尻穴を模したモノに幾度となく射精したというのですか――全身の力が抜けそうになる。

「あんまりキツイ冗談は勘弁してやってくれたまえ」
ツバキさんが言った一言に、ゲンさんがからからと笑う。
「ははは。すまんポプラン君。罪のない冗談だ」
「冗談なんですか? 良かった。灰になるところでしたよ……」
僕は胸を撫で下ろした。
「あんまり苛めないでやってくれ」
ツバキさんがたしなめるように言うが……貴女がそれを言いますか。そうツバキさんに言ってやりたかったが、またちびゲリョスみたいな変な試作品をつけられてはかなわないので黙っておいた。

「カリン? どうしたの?」
僕は向かいのソファに座り、何だかもじもじしているカリンに気が付き声をかけた。心なしか目が潤んでいるようだ。
「あの、なんかエッチな気分になっちゃって……」
「ええ?」
「だって、ポプランくんってば……あんなに何度も……あたしの中にだして」
いやいやいや。それ違うし。重大な事実誤認があるってば。
「発売されたら、たくさんの知らないおとこのひとに出されまくっちゃうんだよね~あたし……」
困ったような、それでいて何処か恍惚としたかのような顔でカリンは言う。この人ってば……やっぱりエッチだ。

「ところで花梨式の正式な名前はどうします?」
ゲンさんが口を開いた。
「そうだな。『男性用携帯自慰支援性具・花梨式』では対古龍用の兵器みたいな響きだしな」
ツバキさんが腕を組んで眉根を寄せる。
「ハンターホール、とかはどうだろう?」

「それじゃあ何だか分かりませんよ、ツバキさん」
僕も意見を出す。
「賢者の時間、とかはどうでしょう?」
「はは。ポプラン君は意外と固いね。でもそれじゃ自己啓発の書物みたいだよ。こういうのはね、あんまり深く考えず若干馬鹿馬鹿しいくらいの感じが丁度いいんだよ」
ゲンさんが楽しそうに笑う。
「オトモカリン、とかでいいんじゃないかな」
「採用」
すかさずツバキさんが言った。

「うわ早っ」
「響きも何となく可愛らしいし、オトモという辺りが携帯用というコンセプトにマッチしている。決定だ」
ツバキさんはそう言うと、煙草を取り出して美味そうに吸う。そして、名前と型を提供した本人のカリンはと言えば――相変わらず良からぬ妄想にハアハアしているのだった。




数ヵ月後。
ツバキ工房試作品第玖号男性用携帯自慰支援性具・花梨式は「オトモカリン」と名を縮められて正式に発売された。「オトモカリン」は口コミで徐々に男性ハンター達の間に浸透し、裏携行品として大ヒットした。

これに気を良くしたツバキさんは、男性用携帯自慰支援性具の第二弾を出したいなどと言い出した。
「今度は誰の型を使うんです?」
僕がやや呆れながらそう訊ねると、ツバキさんはいつものニヤリとした笑みを浮かべ、
「私のはどうだろう?」
などと言い出した。
「千切れるくらいにギチギチと締め上げる、上級者向けのオトモだ」
「それ何て拷問器具?」

僕は、それはそれは大きなため息をつくのだった。

-了-

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